宇宙航空人材育成プログラム 将来の有人宇宙活動を支える宇宙医学人材養成プログラムの創出

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【2023年3月】外国人研究者によるセミナー開催:元NASA研究者との交流

   2023年3月10-17日にベルギーからDr. Ann-Sofie SchruersとインドからDr. Ravikumar Hosamaniを招聘し、宇宙医学研究ならびにキャリア形成に関するセミナーを開催した。両名は本委託費事業の代表者の寺田がNASA Ames Research Centerへ留学していた時の同僚であり、現在それぞれ母国に戻り研究活動を続けている。Dr. Schruersには女性研究者としてのキャリアに関して、「A career into Space biology and beyond」という題名でオンラインセミナーで講演いただいた。参加者は、宇宙医学分野でのジェンダー問題を議論している女子学生とコスモ女子という団体に所属している女性研究者が集まり、合計10名の女性が参加してくれた。セミナーの中ではベルギーやアメリカにおける女性研究者の地位と日本の状況の違いなどを中心に議論した。また、学生からは宇宙医学分野でキャリア形成する際の重要な事柄についての質問などがあり、Dr. Schruersは自らの経験を基に誠意をもって回答していたことが印象的であった。

 また、別日にはDr. HosamaniDr. Schruers2人に宇宙医学研究についてのセミナーで講演をいただいた。それぞれ「Fruit fly model for Astronaut’s health」と「Spaceflight-induced bone loss: molecular mechanisms and countermeasures」という題名で研究紹介をしていただいた。Dr. Hosamaniはショウジョウバエ(fruit fly)を用いた宇宙実験などを実施しており、ショウジョウバエと人との遺伝子情報の共通点が多い点や、モデル生物として優れている点などの説明や、NASAでの研究経験について語っていただいた。ショウジョウバエの研究結果が宇宙医学分野にも応用できる点に学生は驚いていた。まDr. ShruersNASAではマウスを用いた放射線暴露実験をしており、宇宙放射線が骨量減少を誘発するメカニズムについて説明した。宇宙放射線による骨量減少には、ドライプラムの摂取が有効であることをデータを用いて示した。宇宙医学分野における対処療法(カウンターメジャ)の具体的な話が非常に興味深かった。人材育成や国際協力についても議論し、次年度以降に日本人学生の受け入れなどについても話し合った。Dr. Hosamaniからはインドへ研究実習として日本人学生の受入れが可能であることを確認した。現在、必要な取り決めの締結などについて継続して話し合っている。このセミナーには18名の学生が参加してくれた。

Dr. Ann-Sofie SchruersとDr. Ravikumar Hosamaniのセミナーの様子

 

 東京慈恵会医科大学ならびに帝京大学から教員と学生が訪問し、Dr. HosamaniDr. Schruersと宇宙医学に関する研究についての打ち合わせならびに、国際協力について議論した。Dr. HosamaniDr. Schruersも日本の研究者との共同研究などにも非常に興味があり、今後の研究協力体制などが構築できればと期待する。

研究打ち合わせの様子(左)と集合写真(右)